予防医学と介護費用について
2023/12/01
高齢化社会において、寝たきり予防がますます求められるようになっています。
そのような現状を受け、介護必要性から学び、整体院がどのようなアプローチをしているかを探ってみたいと思います。
整体院の施術で痛みや不調を改善し、生活の質を向上させることはもちろん重要ですが、寝たきり予防にも繋がる体のバランスを整えるアプローチを行っているところがあります。
今回は、そうした整体院のアプローチについて探ってみたいと思います。
目次
●予防医学について
予防医学は、疾病や健康問題を未然に防ぐことを目的とした医学の分野です。
従来の医学が病気や障害が発症した後の治療や対処に重点を置いているのに対し、予防医学はそれらの状態が発症する前に、リスクや原因を特定し、予防策を講じることを重視します。
予防医学には3つのレベルがあります。
・第一次予防(Primary Prevention)
疾病や障害の発症そのものを予防するための取り組みを指します。
例えば、予防接種、健康的な生活習慣の推進、環境改善などが含まれます。
・第二次予防(Secondary Prevention)
疾病や健康問題の早期発見・早期治療を促す取り組みです。
スクリーニングや定期健康診断などがこれに該当します。
・第三次予防(Tertiary Prevention)
既に疾病や障害を持っている人の病状進行を遅らせたり、合併症を予防するための取り組みを指します。
例えば、リハビリテーションや治療のサポートなどがこれに含まれます。
予防医学は、個々の健康状態だけでなく、社会全体の健康にも関わる重要なアプローチです。
予防医学は健康促進のために、生活習慣の改善、栄養、運動、ストレス管理、禁煙、予防接種などの手段を用いて、疾病や健康問題のリスクを減らし、健康を維持するための取り組みを支援します。
このような予防医学のアプローチは、医療コストを削減し、人々の健康寿命を延ばすなど、社会全体の健康と福祉に寄与する可能性があります。
●介護費用について
介護費用は、高齢者や障害者などが日常生活や医療ケアを受けるために必要な費用を指します。
これには、介護サービスや施設利用にかかる費用、介護者の給与、医療機器や薬剤の費用などが含まれます。
介護費用の支払いは、個人や家族、介護保険制度、社会福祉制度など様々な方法で賄われます。
主な介護費用の種類には以下のようなものがあります。
・在宅介護費用
高齢者や障害者が自宅で介護サービスを受ける場合の費用。
介護保険制度のもとで、介護サービスを利用する際の自己負担分や利用者負担があります。
また、自己負担分が介護度やサービス内容に応じて異なります。
・施設介護費用
介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)での入所や利用にかかる費用。
食事、居住、介護サービスなどを含みます。これも介護保険制度のもとで自己負担分があります。
・介護者の給与費用
家族などが介護を行っている場合、介護者への給与や報酬が必要になる場合があります。
・医療費用
介護に関連する医療機器の購入や医療サービス、処方箋薬の費用などが含まれます。
・介護用具や改修費用
車椅子、歩行器、バリアフリーの改修など、介護環境の整備にかかる費用も介護費用の一部です。
これらの費用は、個々の状況や介護度、利用するサービスや施設、地域などによって大きく異なります。
介護保険制度などが支援することもありますが、介護費用は多くの場合、個人や家族の負担となることがあります。
●介護費用の平均費用
「(公財)生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、住宅を介護しやすく改造したり介護用のベッドを購入したりといった一時的な費用が平均740,000円、介護の月々の費用に平均83,000円が必要という結果になっています。
介護期間が平均して5年1ヵ月なので、平均すると総額5,800,000円以上という計算になります。
この金額は、介護保険サービスを利用したうえでの自己負担額の平均です。介護が必要な状況は人によって違い、あくまで計算された平均値に過ぎませんが、ひとたび介護が必要になると、公的な介護保険制度があってもこれだけのお金がかかってくる場合があることは知っておきましょう。」
※明治安田生命のサイトを参照「https://www.meijiyasuda.co.jp/find/point/column/16/index.html」
●予防医学による介護費用削減について
予防医学が介護費用を削減できる可能性は大きいとされていますが、具体的な数値や効果は個々の状況や実施される予防策によって異なります。
効果的な予防医学の取り組みによっては以下のような効果が期待されます。
・疾病や障害の予防: 健康な生活習慣の推進や予防接種、定期健康診断などによって疾病の発症を予防することで、将来的な介護が必要な状態を遅らせたり、回避することができます。
・疾病の進行を抑制: 予防医学が効果的に行われることで、既存の疾病や障害の進行を遅らせることができます。これにより、介護が必要な状態に至るまでの期間を延ばし、介護が必要な度合いを軽減することができます。
・医療費の削減: 予防医学により健康状態が改善されることで、医療費の削減が期待されます。疾病や障害の予防や早期発見・治療により、治療コストや医療機器の利用を削減することができます。
ただし、予防医学の効果が直接的に介護費用の削減にどれだけ貢献するかは、様々な要因に左右されます。人々の生活習慣や健康意識、予防医学の普及度、予防策の実施状況、社会全体の健康政策などが影響を及ぼします。
結果として、予防医学が介護費用を削減する可能性は大きいと考えられますが、具体的な数値や効果を一概に言及するのは難しいです。
ただし、予防医学の重要性が認識され、適切な予防策が推進されることで、将来的な介護費用の負担を軽減することが期待されます。